公募班

Public Recruitment team

公募班のご紹介Members of Publicly Invited Research

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FY2017 - 2018

A01 公募班A01 Publicly Invited Research

  • 人羅(今村) 菜津子 Natsuko HITORA‐IMAMURA

    北海道大学 大学院薬学研究院Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Hokkaido University

    研究課題
    意志力を司る細胞集団メカニズムの解明 

    研究課題
    意志力を司る細胞集団メカニズムの解明 

    研究内容
    ある行動を起こすべきか否かは、快情動が原動力となり行動を起こそうとする「正の意志」と、不快情動により行動を抑制する「負の意志」のバランスによって決定すると考えられる。本研究は、快・不快情動を担う神経細胞集団の活動がバランスを取って行動を変化させるメカニズムを解明することを目的とする。
    1、 快・不快情動が共存する葛藤状態において、正負の意志のバランスを調節して行動を制御する神経活動を明らかにする。
    2、 神経活動を人工的に操作することにより、神経活動と行動の因果関係を明らかにする。
    3、 うつモデルマウスにおいて、神経活動を操作することにより「やる気の低下」を改善する。

  • ラザルス ミハエルMichael LAZARUS

    Principal Investigator, International Institute for Integrative Sleep Medicine (WPI-IIIS), University of TsukubaPrincipal Investigator, International Institute for Integrative Sleep Medicine (WPI-IIIS), University of Tsukuba

    研究課題
    レム睡眠と食欲の意志動力学

    研究課題
    レム睡眠と食欲の意志動力学

    研究内容
    It is widely accepted that sleep disruption affects metabolism and energy balance, but the neuronal mechanisms linking sleep disruption and obesity are poorly defined. Recent work from the WPI-IIIS Lazarus lab suggests a role of neurons in the medial prefrontal cortex (mPFC) in linking REM sleep to the control of appetite for highly palatable food (HPF; McEown K, et al. eLife 2016;5:e20269). Moreover, the Lazarus lab discovered that REM sleep is suppressed by activation dopaminergic or GABAergic ventral midbrain/pons (VMP) neurons (Oishi Y, et al., Brain Struc Func, 2017; 222:2907-2915; Takata Y, et al., J Neurosci, 2018;38:10080–10092). These neurons, however, are known to be active during REM sleep, suggesting that these neurons may have other functions during REM sleep. Therefore, the WPI-IIIS Lazarus lab is currently investigating the role of a VMP/mPFC circuit for healthy dietary behavior during REM sleep.

  • 小澤 貴明Takaaki OZAWA

    筑波大学Faculty of Human Sciences, University of Tsukuba

    研究課題
    粘り強さを制御する神経メカニズムの解明 

    研究課題
    粘り強さを制御する神経メカニズムの解明 

    研究内容
    我々がストレス社会を健康的に生き抜き,自己実現を達成していくには,期待された結果が得られなくとも行動を持続していく「粘り強さ」が必須である。ドーパミンは「やる気」や「モチベーション」と表現される動機づけの根幹にかかわる神経伝達物質であり,粘り強さにおける重要性が繰り返し指摘されてきた。しかし,我々が粘り強さを発揮した時,あるいは諦めた時に脳内でどのようなドーパミンレベルの変化が起きているのかという重要な問いに関する研究は意外なほど進んでいない。研究代表者らは,ドーパミン神経細胞の人工的活性化技術と,最新の光ドーパミン計測技術を用いて,粘り強さを制御する脳内ドーパミンダイナミクスを明らかにする。

  • 櫻井 勝康Katsuyasu SAKURAI

    筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構University of Tsukuba, International Institute for Integrative Sleep Medicine (WPI-IIIS)

    研究課題
    オーガズムを捕える -性行動による報酬系賦活化のメカニズムの理解-

    研究課題
    オーガズムを捕える -性行動による報酬系賦活化のメカニズムの理解-

    研究内容
    意志力は目標達成に必要不可欠な力である。目標達成の原動力は、その結果得ることができる報酬であると考えられる。すなわち、脳内報酬系の理解は、意志力向上のための基盤となる。
    性行動の原動力は性欲である。性欲はオーガズムによって満たされる。すなわち、性行動の報酬とはオーガズムに達することによって得られる快楽であると考えられる。
    近年の性に関わる市場の規模は数兆円にのぼると推察されている。つまり、性に対する熱量は非常に強力かつ大きいのである。この熱量の源、すなわち性欲を司る脳内報酬系の神経基盤は未だ明らかにされていない。そこで、本研究では、性欲の脳内報酬系の理解による意志力向上を目指す。

  • 山中 章弘Akihiro YAMANAKA

    名古屋大学環境医学研究所Research Institute of Environmental Medicine, Nagoya University

    研究課題
    青斑核ノルアドレナリン神経活動制御因子の同定と生理機能解明

    研究課題
    青斑核ノルアドレナリン神経活動制御因子の同定と生理機能解明

    研究内容
    青斑核ノルアドレナリン神経(LC-NA神経)の活動は、意志力生成において重要な役割を担っている。LC-NA神経にカルシウムインジケータを発現するマウスの脳スライスを用いてLC-NA神経のカルシウムイメージングを行い、生理活性物質を投与することで、細胞内カルシウム濃度に影響を与える4つの新規生理活性物質を同定することに成功した。本研究では、これら新規生理活性物質によるLC-NA神経活動の調節メカニズムを詳細に解明し、意志力を形成する分子神経基盤の理解や、意志力の操作に繋げることを目的にしている。

  • 溝口 博之Hiroyuki MIZOGUCHI

    名古屋大学 環境医学研究所 次世代創薬研究センタ―Research Center for Next-Generation Drug Development, Research Institute of Environmental Medicine, Nagoya University

    研究課題
    不確実な状況下における報酬動機づけメカニズムとオレキシン神経活動

    研究課題
    不確実な状況下における報酬動機づけメカニズムとオレキシン神経活動

    研究内容
    「意志力」は自己をコントロールし、難局を打開するのに必要な力であり、意志力を強化することは、ストレス社会を生き抜く術と考えています。私たちは睡眠・覚醒やエネルギー恒常性などに関与することが知られているオレキシン神経に着目し、動機づけ行動におけるオレキシン神経の機能的役割について検討してきました。本研究では、オレキシン神経活動を測定し、その活動を操作した時の意志力行動への影響を明らかにします。

  • 渡邊 裕之Hiroyuki WATANABE

    京都大学大学院薬学研究科Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Kyoto University

    研究課題
    意志力の解明に資する分子イメージングプローブの開発とその応用

    研究課題
    意志力の解明に資する分子イメージングプローブの開発とその応用

    研究内容
    脳内におけるオレキシン系の働きを明らかにするにはオレキシン受容体およびオレキシンニューロンを生体内で画像化(イメージング)することが必要であると考えられます. Positron emission tomography (PET)は生体イメージング法の中でも定量性および解像度に優れ,脳内の受容体の可視化に適した手法のひとつとされることから,本研究ではオレキシン受容体およびオレキシンニューロンを標的とした新規PETプローブの開発を行います.さらに,開発した新規プローブおよび既存のPETプローブを用いてモデル動物などにおける生体イメージング実験を行うことで,オレキシン系と意志力に関連する神経伝達物質との関わりを明らかにすることを目的としています.

  • 小川 正晃 Masaaki OGAWA

    京都大学医学系研究科

    研究課題
    困難を乗り越える意志力を駆動する神経基盤の解明

    研究課題
    困難を乗り越える意志力を駆動する神経基盤の解明

    研究内容
    ヒトは、スポーツや受験勉強、仕事など、将来の目標を敢えて高く設定し、現実との間にある誤差、すなわち困難を乗り越えようと努力する。しかし、このような困難を乗り越える意志力を駆動する神経基盤は、これまで適切な動物行動モデルが確立されていないことが障壁となり、解明されていない。我々は最近、厳密な行動の統制が可能な、困難を乗り越える意志力を駆動するラット行動モデルを開発した。本研究は、この新規行動モデルにおいて、報酬系の中心的脳領域である中脳ドーパミン細胞の神経回路が、困難を乗り越える意志力駆動に果たす役割を、神経回路特異的活動計測法、活動操作法によって、明らかにする。

  • 勢力 薫Kaoru SEIRIKI

    大阪大学薬学研究科

    研究課題
    意志力のストレス適応機構とその破綻メカニズムの全脳イメージング解析

    研究課題
    意志力のストレス適応機構とその破綻メカニズムの全脳イメージング解析

    研究内容
    生体にはストレスに対する適応機構が備わっていますが、過度のストレスを受けると意志力が損なわれ、時にはうつ病や心的外傷後ストレス障害などの精神疾患に繋がることがあります。そのため、ストレスの強度に応じた適応と機能変調の神経基盤は、意志力の制御や精神疾患の予防・治療の機序を理解する上で重要な脳の恒常性維持機構の一つと考えられます。本課題では、マウスの社会行動にほとんど影響しない程度のストレスと、社会的忌避行動を引き起こす過度のストレスによって引き起こされる神経機能の変化を、全脳レベルの神経活動マッピングにより解析し、ストレス強度に応じた意志力の維持・適応と機能変調の機序の理解を目指します。

  • 松本 英之Hideyuki MATSUMOTO

    大阪市立大学医学系Department of Physiology, Osaka City University Graduate School of Medicine

    研究課題
    意志力の基盤となるドパミン神経回路活動の環境依存的変化

    研究課題
    意志力の基盤となるドパミン神経回路活動の環境依存的変化

    研究内容
    報酬を沢山もらうとやる気が出るが、なかなかもらえないとやる気が出ないことは日常的に経験する。我々のやる気は、環境から与えられる報酬の頻度や大きさ(環境の報酬率)の影響を強く受けていると考えられる。では、どのような脳の仕組みが、環境の報酬率と、目標に向かって諦めないやる気(=意志力)を結びつけるのだろうか?本公募研究では、環境の報酬率に応じて動物が意志力を生み出す過程におけるドパミン細胞の活動パターンを明らかにし、意志力を生み出す分子神経回路基盤を理解する。本研究を通して、意志力の障害に対する治療ターゲット(神経回路)を明確にし、副作用の少ない医療の発展に貢献する。

  • 犬束 歩Ayumu INUTSUKA

    自治医科大学 医学部 生理学講座 神経脳生理学部門Department of Physiology, Jichi Medical University

    研究課題
    社会的接触を求める意志力の神経機構解明

    研究課題
    社会的接触を求める意志力の神経機構解明

    研究内容
    近年、社会における競争的傾向が高まっている。その際、競争に敗北した人達が意志力をいかに保つかということは、個人の健康にとっても社会全体の活力維持にとっても重要な課題である。マウスやラットにおいても、社会的敗北は社会的忌避行動や不安様行動の亢進といった、うつ病に類似した意志力低下現象をもたらす。しかし、その神経機構は良く分かっていない。本研究では前頭前皮質のオキシトシン受容体発現ニューロンに着目し、社会的敗北ストレスによって引き起こされる社会的接触を求める意志力変化における役割を明らかにする。ストレスと社会的孤立の負の連鎖を断つ方策を見出し、たとえ敗北しても意志力を保つ神経機構を探りたい。

  • 田中 謙二Kenji TANAKA

    慶應義塾大学 医学部 精神神経科学教室Department of Neuropsychiatry, Keio University School of Medicine

    研究課題
    意欲行動の持続にかかわる神経基盤の解明

    研究課題
    意欲行動の持続にかかわる神経基盤の解明

    研究内容
    意欲行動は、目的に沿う行動の選択、行動の開始、行動の持続、目的の達成という段階に分けることができる。意欲行動を制御する脳領域として腹側線条体が知られている。これまでの研究から、行動の選択・行動の開始が腹側線条体を含む神経回路によってどのように制御されるか分かってきた。一方で、意欲行動の持続にかかわる神経基盤は全く分かっていない。本課題では、腹側線条体へ投射する腹側海馬が意欲行動の持続に関与するという仮説を掲げ、これを実証する研究を行う。意欲行動中の腹側海馬活動計測とオプトジェネティクスを組み合わせた研究を展開する。

  • 研究課題
    眼窩前頭皮質-線条体ネットワークの持続的活動による意志力維持のメカニズム

    研究内容
    衝動的な行動を抑えるためにはそれに拮抗する目標や理想を心にとどめておくことが必要である。それを維持する力が弱まったとき人は衝動に負ける。この力を「意志力」と呼ぶが、本研究は前頭前皮質に発生する持続的活動が意志力の正体であり、この活動の選択的操作により意志力を任意に制御できることを実験的に示す。具体的にはラットに「待ち時間無しで小さな報酬を得るか」または「長く待って大きな報酬を得るか」を選択させる行動課題を訓練した上で、光遺伝学的方法を用い前頭前野の特定の細胞集団の活動を光操作することで、その神経回路の持続的活動が衝動性の抑制と因果的に関係するかどうかを明らかにする。

  • 植松 朗Akira UEMATSU

    理化学研究所

    研究課題
    適切な意志力を制御するノルアドレナリンの役割

    研究課題
    適切な意志力を制御するノルアドレナリンの役割

    研究内容
    脳内ノルアドレナリンは古くから覚醒や意志との関係性があると考えられている。過度な恐怖により引き起こされるPTSD患者の中には過覚醒といった症状や脳内ノルアドレナリン濃度の上昇、また恐怖刺激を抑制する行動療法(消去)の効果が低いことが報告されている。同様に、我々の研究においても消去に重要な前頭前野のノルアドレナリンを過剰状態にすると消去が阻害されることが明らかとなっている。しかしながら、消去学習中におけるノルアドレナリン濃度と前頭前野の神経活動の関係については解明されていない。そこで、本研究においてノルアドレナリン濃度が過剰な場合における前頭前野の神経活動がどのように変化するのか解明したい。

A02 公募班A02 Publicly Invited Research

  • 山田 洋Hiroshi YAMADA

    筑波大学医学医療系University of Tsukuba

    研究課題
    意欲を行動へと変換する前頭葉内側ネットワーク機能の解明:モデル動物を用いた研究

    研究課題
    意欲を行動へと変換する前頭葉内側ネットワーク機能の解明:モデル動物を用いた研究

    研究内容
    やる気が出ずなかなか行動に移せないといった際に、脳の中では何が起きているのだろうか。意欲に応じて行動を発現・調節するために、脳のたくさんの部位が働いていると考えられている。前頭前野を中心とした神経ネットワークは、思考や判断といった複雑な行動を実現するために、意欲をこれらの行動に結びつけると考えられている。本研究では、前頭葉ネットワークの担う行動を発現する機能が、欲求の程度に応じて調節される仕組みを調べる。ヒトの前頭葉内側部の異常がうつ病と関わることが報告されており、動機付けや行動の不全が引き起こされる脳の仕組みの解明を目指す。

  • 高雄 啓三Keizo TAKAO

    富山大学 研究推進機構 研究推進総合支援センター 生命科学先端研究支援ユニットLife Science Research Center, University of Toyama

    研究課題
    呼吸法の動物モデル確立とその意志動力学への応用

    研究課題
    呼吸法の動物モデル確立とその意志動力学への応用

    研究内容
    意志力を強化させうる東洋の伝統的な瞑想・訓練法の中心には深い呼吸、すなわち低速度の呼吸法がある。本研究では、まずこの伝統的訓練法の核をなす呼吸法をマウスが実行できるシステムを開発する。このモデルを用いて呼吸法が意志力に与える影響を解析し、意志力の調節モデルを確立する。自律的に調節される呼吸を意識的に変化させることは動物では困難と考えられるが、本研究ではマウスの生得的性質とリアルタイムフィードバックシステムによってこれを実現する。この呼吸法マウスモデルはこれまでにない新しい動物モデルであり開発に成功すればこれまで神秘とされていた東洋の伝統的精神訓練法の神経メカニズムを明らかにする端緒となる。

  • 笹岡 利安Toshiyasu SASAOKA

    富山大学・大学院医学薬学研究部・病態制御薬理学Graduate School of Medicine and Pharmaceutical Sciences
    University of Toyama

    研究課題
    うつと糖尿病の悪循環を防止する嗅覚系を介した「意志力」強化機構の解明

    研究課題
    うつと糖尿病の悪循環を防止する嗅覚系を介した「意志力」強化機構の解明

    研究内容
    生活習慣や社会構造が急速に変化した現代社会では、うつ病と肥満・2型糖尿病患者が激増している。さらに、これらの疾患は連動して発症する。生体に備わるストレス適応力を強化できれば、この悪循環を阻止できる可能性が高い。そこで本研究では、情動や本能行動に直結する「嗅覚系」に着目し、嗅覚刺激がストレス適応に必要な「意志力」を強化し、うつと糖尿病の負の連鎖を断ち切るかを検証する。嗅覚系が「意志力」強化に必要な報酬、覚醒、およびエネルギー供給の3機能を中枢性に向上させ、精神(脳)機能と代謝(内臓)機能を維持するという新概念を提起し、うつと糖尿病を未病状態で防止するための新規介入法の開発を目指す。

  • 大塚 稔久Toshihisa OHTSUKA

    山梨大学・大学院総合研究部・生化学講座第一教室Graduate School of Medicine/Faculty of Medicine, University of Yamanashi

    研究課題
    シナプス伝達制御と中枢ー末梢機能連関から捉える意志動力学

    研究課題
    シナプス伝達制御と中枢ー末梢機能連関から捉える意志動力学

    研究内容
    意志力の制御には、中枢神経系と末梢臓器との連関が重要であることが示唆されはじめているが、その機構はほとんど解明されていない。本研究では、中枢神経のプレシナプス分子CAST/ELKSに着目し、副腎髄質や膵臓などの末梢臓器と中枢神経との機能連関を、伝達物質の放出制御とその破綻から意志力制御機構を捉える。得られる成果は、内分泌疾患と精神神経疾患の発症機構と治療法確立に、「プレシナプス分子機構」をターゲットにした新たな戦略をもたらす可能性を秘めている。さらに、将来的には、うつ病、ひきこもりなどの精神・神経疾患の理解に大きく寄与するとともに、広く国民の健康と福祉の増進に貢献することを目指す。

  • 繁冨 英治Eiji SHIGETOMI

    山梨大学大学院総合研究部・薬理学講座Department of Neuropharmacology, Graduate School of Medicine, University of Yamanashi

    研究課題
    グリアを標的とした意欲制御機構

    研究課題
    グリアを標的とした意欲制御機構

    研究内容
    意欲が障害されるうつ病では脳細胞が機能的及び構造的に障害される。グリア細胞の1種のアストロサイトも障害を受ける細胞の1つであり、その細胞内カルシウムイオンシグナルの低下及びアストロサイト由来因子の低下が、うつ様行動を示すモデル動物における意欲低下と関連することが示唆されている。本研究では、アストロサイトの活動を賦活化させることで、アストロサイト機能を向上あるいは改善させ、意欲を向上させることができるかを検証するものである。すなわち、意欲の脳内メカニズムにおけるアストロサイトの側面を解明して、こころの健康を増進する方法を探索する。

  • 北岡 志保Shiho KITAOKA

    神戸大学大学院医学研究科薬理学分野
    Kobe University

    研究課題
    血球細胞による意志力の低下とその機構の解明

    研究課題
    血球細胞による意志力の低下とその機構の解明

    研究内容
    社会や環境から受ける適度なストレスは、交感神経系や視床下部―下垂体―副腎系(HPA系)を活性化し、生命の維持に有利に働く。一方、過度なストレスやストレスの遷延化は、認知機能の低下や情動変容を誘導し、精神疾患のリスク因子となる。研究代表者は、反復ストレスがミクログリアを主体とした脳内炎症を誘導することを見出している。最近では、交感神経系やHPA系の活性化により末梢で炎症反応を誘導することが報告されている。本研究課題では、末梢と脳内のクロストークによる脳内炎症の誘導における血球細胞の役割を解析し、「ストレスレベル」を反映するバイオマーカーの同定を目指す。

  • 神野 尚三Shozo JINNO

    九州大学 大学院医学研究院 神経解剖学分野Kyushu University

    研究課題
    薬物依存症の形成と消去の機序を成体海馬神経新生現象から捉え直す

    研究課題
    薬物依存症の形成と消去の機序を成体海馬神経新生現象から捉え直す

    研究内容
    かつて、薬物依存症研究の主たるターゲットはドパミンニューロンによる報酬系でした。しかし近年、生涯にわたって海馬でニューロンが産生され続ける「成体海馬神経新生現象」が依存症の病態に関わっている可能性に注目が集まっています。このため我々は、実験的にコカイン依存症の動物モデルを作出し、成体海馬神経新生の視点から薬物依存症の新たな研究に取り組みます。実験には、当教室で独自に開発を進めてきたプログラムライブリーを利用した成体海馬神経新生の形態学的・電気生理学的解析に最先端の行動学的解析を組み合わせます。さらに、本領域の他の研究者と協力し、新たな視点に基づく依存症の解明と治療法の創出を目指します。

  • 酒寄 信幸Nobuyuki SAKAYORI

    福島県立医科大学 医学部附属生体情報伝達研究所 生体機能研究部門Department of Molecular Genetics, Institute of Biomedical Sciences, Fukushima Medical University

    研究課題
    意志力を生み出す脂質分子と現代の食環境による破綻

    研究課題
    意志力を生み出す脂質分子と現代の食環境による破綻

    研究内容
    現代社会における肥満人口の増加は著しく、生活の質の低下や医療費の増加など多くの社会問題を引き起こしている。摂食行動を制御する中枢の一つとして中脳腹側被蓋野のドパミン作動性ニューロンがあり、ドパミンは摂食への意志を制御し、その制御系の破綻は肥満の原因となる。しかし、どのような生活環境が摂食に対する意志に影響するかは未解明な点を多く残しており、肥満を引き起こす環境因子の同定は社会的急務となっている。近年、脂質の摂取量は世界的に大きく増加しており、摂取する脂質の種類も劇的に変化している。本研究課題では肥満を引き起こす環境因子として脂質摂取に着目し、摂食行動のモチベーションに関する多角的な解析を行う。

A03 公募班A03 Publicly Invited Research

  • 野内 類Rui NOUCHI

    東北大学 学際科学フロンティア研究所Frontier Research Institute for Interdisciplinary Science (FRIS), Tohoku University

    研究課題
    試験・試合に勝つ:状況的意志力のコントロールによるパフォーマンスの向上効果の検証

    研究課題
    試験・試合に勝つ:状況的意志力のコントロールによるパフォーマンスの向上効果の検証

    研究内容
    学際的なアプローチから、どうすれば試験・試合に勝つことができるのかという日常的な疑問に対して、栄養・認知・運動を用いて【状況的意志力】をコントロールすることで、日常的な課題・現実的な場面でベストパフォーマンスを出すことを目指すという世界で初めての試みである。栄養・認知・運動型の調整効果のメカニズムや個人や状況(試験や試合)に応じた最適な方法を明らかにすることができれば、従来の一義的なアプローチではなく、個人の特徴を加味した積極的な意志力向上の個別アプローチへの転換を推進する一助になると考えられる。

  • 金田 勝幸Katsuyuki KANEDA

    金沢大学Kanazawa University

    研究課題
    運動に対するモチベーションの形成・維持の神経機構の解明

    研究課題
    運動に対するモチベーションの形成・維持の神経機構の解明

    研究内容
    運動に対するモチベーションの形成・維持の仕組みを解明し、積極的に運動をするための方策を提案することで、健康増進、脳機能の低下防止が期待される。そこで本研究では、マウスがランニング・ホイール(RW)を好んで回転させる特性に着目し、運動に対するモチベーションの形成、維持機構を細胞・シナプスレベルから動物個体レベルで明らかにすることを目指す。行動薬理、電気生理、および、化学遺伝学の手法を駆使して、モチベーションに関連する側坐核(NAc)と背側線条体(DSt)の、どの細胞種の活動がモチベーションの維持に、また、NAcとDStでのどのような神経可塑性がモチベーションの形成に重要なのかを明らかにすることを目指す。